福島聡 少年少女第一巻

前回に引き続き福島聡作品を買ってしまった。
今回は「少年少女」。
少年期、少女期に誰もが経験する悲惨な出来事、幸福な事を福島流で表現した、とても質の良い作品集です。
第二話目の「大車輪」。悲惨な状況とも言えるような、戦後のヨーロッパの状況の中、ナチの残党を兄に持つ妹。その子を慕う、10歳くらいの少年。それぞれのキャラクターが生き生きと書かれていて、暗いテーマばかりを表現すると思っていた私の作者へのイメージが拭いされました。
そのほか第七話の「錯綜」や、第四話「自動車、天空に」のよしもとよしとも作品にも通じる世間へのアイロニーを感ました。
ん、まてよ、この感覚は、初期大友克洋作品に通じる物かもしれない、例えば第六話「宇宙パンダ
に情けはあるか!?」は「宇宙パトロール・シゲマ」に通じるような、通じないような、人間臭い作品のようでSFっていう感覚が近いような。うーん。
いや、やっぱり福島さんの作品は初期大友作品の感覚に近いかもしれない。
今度じっくり考えてみよう。

収録作品
第一話「触発」
第二話「大車輪」
第三話「美しい骨」
第四話「自動車、天空に」
第五話「OPEN THE DOOR!」
第六話「宇宙パンダに情けはあるか!?」
第七話「錯綜」

おすすめです。