俺は目が覚めると、枕元にある携帯に今が何時だろうと思う。

携帯は、流暢な女性の声で今が8月20日の午後3時34分だと告げた。
続けて、携帯は今日の日程を告げる。
この間買ったアップルの新しい携帯は精度が良い。Thinkレスポンスも良好だ。
 今日は恵比寿のミルクでサイケのライブイベントがあるんだっけ。
俺はVJで参加だ。
PowerBookGXに動画データを転送していたので、準備は万全だ。
ライブプロジェクターは自前のを用意していくつもり。
うまく空中に投影できるのか早めにいって確認しなくては。
それに、今日の選曲はBPM200越えが多いので、うまく映像とシンクロするか心配だ。
GXにメールのチェックを思う。
新着メールが無い代わりに、スパムが200件ゴミ箱に消えた。最近のウイルスは携帯経由ばかりで厄介だ、何しろ携帯のみユーザーは馬鹿が多い。携帯の自動アップデートだけで十分だと思っている。
ぼんやりしてたら思考のノイズがバックアップメモリを裸のイメージで検索していた。
何となくむらむらして、シコろうと思い、メモリからエロ動画を再生した、3本の動画、ロリコン系、大学生、外人を同時に再生した。丁度視界一杯に各動画が並びつつ良く見える様にウインドウを配置しているときに、携帯がなった、彼女だった。FUCK!
無視してると携帯が鳴り止んだ。
その後間髪入れず、MACメッセンジャー経由で呼び出し始めたので、慌てて動画を止めた。


以上、イーガンにインスパイアされて書いてみた小説。
 グレッグ・イーガンの作品はテーマが一貫している。
テクノロジーが人間のアイディンティティに与える影響だ。
小松左京先生の言うハードSFだ。
そんなイーガンが大好きだ。幸せの理由、祈りの海、最高です。
グレッグ・ベアも大好きだ。タンジェントは名作だ。
特に「姉妹たち」は傑作だ。SFで泣いた始めての作品だと思う。
お勧めです。